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沈黙の使者

2011年06月25日 18:23

「おしゃべりを止めてしまう人」というのがいます。

 

「昨日、駅前で超、段差のあるカップル見た」

「段差って何だよ」

「いやもう超、身長違うの。

男の方2メートルくらいあるのに女の方150センチないくらいでさ。

はじめ親子にしか見えなかった」

「ああ、たまに見るよねそういうの。あとデブとガリとかも多くない?

彼氏の方が超ガリガリなのに彼女が『力士だろこれは』って感じのとか」

「ああそれもある。なんでだろうね。そういうの妙に多くない?」

「やっぱあれかな。自分に無いものを求めるっていうのかな」

「実際に統計をとってみれば、大きい人と小さい人のカップルとか、

太った人と痩せた人のカップルが有意に多いわけじゃないと思う。

そういったカップルは目立つから記憶に残る。

一方、その何倍もの数を見ているはずの普通のカップルは、

普通であるがゆえに記憶に残らない。
結果として、
正反対のカップルばかりが記憶に残るから、

『多い』っていうことになるんじゃないかな」

「……そうだね」

「……」

 

「昨日、変な夢見てさあ。

なんか外、雨降ってると思ったら部屋の中に水溢れてきてさあ。

必死で平泳ぎしてんの。そのうちに窓から流されてさあ。

なんか町中、水深2メートルぐらいになっててみんな泳いでんの」

「泳ぎたかったんじゃねえの」

「今の季節に? だいたい水泳とか超嫌いなんだけど」

「泳ぐ夢って聞いたことあるよ。水は生活上の困難を象徴するから、

うまく泳げてたら仕事とかがうまくいってる証拠なんだって。

あと出会いがあるかもとか」

「ああそれ聞いたことある。あと、あれじゃなかった?

セックスがうまくいってる時は夢でもうまく泳げる」

「ちょっ、待て。誰とだよ。相手がいねえよ」

「えええ本当かなあ」

「いや本当だって。そこ疑うなよ」

「眠っている間も外部の音は知覚してるから、

聴いた音からくる連想が夢に出ることは考えられるよね。

壁ごしに水音が聞こえてきたのかもしれないし、昨夜ちょっと雨が降ったし、

それを聴いてたんじゃないかな。
あと、体が冷えてたのかも。
掛け布団、はだけてなかった?」

「……あー、言われてみれば」

「……」

「……」

……お前ちょっと黙れ。

 

言っていること自体は正しいのですが、それを言ったら話が終わってしまいます。

というより、普通の人はおしゃべりに結論を求めないし、

しゃべっている内容が客観的に正しいかどうかなど、

特に気にしていません。

そのあたりが分からないため、「つい正しいことを言って」しまって、

話を終わりにしてしまう人というのが、たまにいます。
個人的に「沈黙の使者」と呼んでいるのですが、
私も時々やります。

 

別に、だからといって悪いわけではないです。

わざとでないかぎり、場を盛り下げたからって責められる理由はありません。

まして、客観的に正しいことを言っているのですから尚更です。

その場にいない人の悪口で盛り上げようとするやつなんかの方が、よっぽど罪深いです。

ですが、話は止まります。

まわりの人は、なんとなく困ってもじもじします。

 

こういうキャラを探偵役にしてみたいです。

というか、名探偵が現実にいたら、

日常会話はこんな感じなのでは、と思わないでもないです。

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