お気楽ゴッドファーザー

2011年08月29日 21:59

 登場人物の名前はどうやって決めているんですか、ということをたまに訊かれます。
その度に答えに窮します。
そういえばどうやって決めているのか、自分でもよく分かっていないからです。

名の方はともかく、姓を考える時に意識しているのはこれくらいです。

現実にいない姓はやらない。

「七五三木」も「百目鬼」も「祁答院」も実在します。
「渡慶次」なんかになると、沖縄では普通です。
まあ、世の中には「肥満さん」とか「浮気さん」とか「官能さん」といった
姓の人も実在するので、
「こんな姓はありません」と言い切れるものの方が少ないようです。

紛らわしい姓を一緒に出さない。

木山さんと木下さんと下山さんと山木さんが一緒に出てきたら、誰が誰やら分かりません。

既存の有名人の名前とかぶらないよう、できるかぎり気をつける。

これは伊神の時に失敗したからです。
伊神の姓は、「ひと目で探偵だって分かるようにそれっぽい名前にするか。○神とか。
じゃあそのまんま伊(これ)は神様ですって事で伊神」と簡単に決めたのですが、
後になってから有栖川有栖先生の学生アリスシリーズ(探偵役は「江神さん」)の
ことを思い出し、「あぶねー! セーフ! セェェェェフ!(アウトじゃないの?)」と
いうことになりました。
そうでなくとも、たとえば「東国原くん」という名前の人が出てくれば、
読者はどうしてもタレントで知事の人を想起してしまうので、
ネタとして意図的にやる場合を除いては、避けた方がいいように思います。

姓に関してはこれぐらいしかルールを設けていないせいもあって、
なかなか本決まりになりません。
プロットの段階で変更するならまだしも、書き始めてから変更したりします。
柳瀬は書き始めの段階ではもっと天然な人になる予定だったので、
名前も「猪瀬さん(innocent)」だったのですが、
書いているうちに「これでイノセントはないな」となってきたので、
Wordの検索機能と目視確認を用いて全部変更しました。
1冊目に出てくる吹奏楽部の高島先輩にいたってはもっとひどく、
山名先輩(プロット段階)→遠藤先輩(第1稿)→高島先輩(応募時)と
3段変形していますが、なぜ変えたのか自分でもよく分かりません。
あまりにも露骨に狙ったような姓にすると現実味が薄れるけど、
完全アトランダムで電話帳に出てきた姓を使う、というやり方では、
キャラクターのイメージが弱くなってしまうわけで、
そのあたりの匙加減を気にしているからなかなか決まらないのかもしれません。

 対して、名の方はなぜか、そんなに苦労していません。
生まれた年を計算して、あとは明治安田生命の名付けランキングに頼る、という
やり方でもいいですし、
現実に地球(あーす)くんも騎士(ないと)くんも愛(らぶ)ちゃんもいる、
いうことを考えれば、どんな名にしても恥ずかしくないわけです。
好き勝手に恥ずかしい名前をつけておいて、
「これ俺じゃないから。こいつの親がこういうセンスなだけだから」と
言えばいいわけなので、気楽なものです。
むしろキャラクターの名は、名付けたのが誰で、その人の性格はこうで、
だからこのキャラクターはこういう雰囲気の家庭で育ってきたのだ、と
いろいろ想像し、キャラクターの設定を深めるきっかけになったりします。

ちなみに、なぜ唐突にブログでこんな話を始めたかというと、
次回作の登場人物の名前が決まらなくて、ちょっと逃げたくなったからです。
ええもちろん、すぐ仕事に戻りますとも。

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