怖がりは悲鳴をあげない

2011年01月28日 18:38

自慢じゃありませんが怖がりです。

そのくせにホラーはわりと好きで、時折角川ホラー文庫など買ったりしています。

これは一見、矛盾しているようですが、実際はそうでもありません。

怖いものを見たがる性格と、人より怖がる性格は両立するのです。

 

怖がりであっても、ホラーを観ること自体は平気だったりします。

中学の頃、授業で「本当にあった怖い話」的なビデオを観たことがあるのですが、

(なんで授業でそんなものを観たのかは全く分かりませんが)

その中に「夜、窓の外で何かがばん、ばん、と音をたてているので外を見たら、

逆さの女が窓にはりついていた」という話がありました(うろおぼえ)。

窓枠の外から女がわっと降ってきて窓にはりつくシーンでは悲鳴があがりました。

女子はキャーと言いました。男子もウォーと言いました。

私は平然と画面を眺めていました。

授業が終わった後も皆、「あのシーンは怖かった」と話していました。

私は「そうかなあ」と思っていました。

しかしその日から約1ヶ月、夜中にカーテンを開けることができなくなりました。

だって窓枠の外から逆さの女がわっと降ってきてはりついたらどうするんですか。

皆がとっくにそのビデオのことなど忘れているであろう1ヶ月後になっても

私はまだ夜中にカーテンを開けることができませんでした。

 

これが怖がりの人の怖がり方です。

怖い話を観た、聞いた直後はわりと平然としています。

しかし、誰でも少しだけ不安になるような状況でそれを思い出してしまうのです。

例えば風呂で頭を洗っている最中、

もし背後でドアが開いて斧を持った男が入ってきて

私の脳天を一撃したらどうしようとか、

古くて暗いトイレの個室に入っている時、

もし頭の上に雫が落ちてきて、

それがどす黒い色をしていることに気付いて見上げると、

天井に血まみれの女がはりついてこちらを見ていたらどうしようとか、

つい、そういう想像をしてしまい、

しかもそれを「そんなことがあるわけがない」と片付けることができないのです。

想像力があると言うこともできるかもしれませんが、

妄想と現実の区別が苦手、というのは病的であるとも言えます。

(これって、強迫性障害や統合失調症になりやすい気質なのでは……。)

 

ちなみに私の場合、怖がりの上に寝付きが悪いので、

小さい頃はしょっちゅう怖い思いをしていました。

夜中、真っ暗な部屋で目が覚めてしまうのです。

部屋は静かです。暗闇の中に何かがいる気がします。

布団の外に出している手を、冷たい別の手が撫でそうな気がします。

手をひっこめても、冷たい手が突然顔を撫でてくるかもしれません。

布団にもぐりこむのですが、息苦しくてすぐ出ざるを得ません。

ドアが開いて包丁を持った殺人鬼が入ってくる気がします。

天井のしみが人の顔になって私を睨みます。

カーテンの向こうにぐちゃぐちゃの化け物がはりついています。

隣では兄が寝ていましたが、兄はひどく寝付きがよく、

いつも憎たらしいぐらい熟睡していやがるので全くあてになりません。

そういうことがしょっちゅうでした。

 

もっとも大人になってから、

兄に「お前相変わらず寝付きがいいな」と言われたことがあります。

考えてみたら、私が眠っている時に兄が起きていたとしても

眠っている私はそのことを覚えていないわけで、

もしかして兄も私と同じ気質を持っていて、幼少時、

私が眠っている時には私と似たような感じで怖い思いをしていたのかも。

怖がりの原因が無駄な想像力と、

妄想と現実を合理的に区別する能力の欠如にあるのだとすれば、

怖がりに遺伝的な要素があってもおかしくありません。

 

……ということは、私の怖がりは死ぬまで治らないんでしょうか。

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