百日紅を左に

2011年03月08日 02:51

私はよく道に迷い、人に訊きます。

人に訊いたくせにそこからまた迷ったりします。

以前は「ちゃんと訊いたのに、結局また迷うのはどうしてだろう」と
疑問に思っていたのですが、
そういうケースを何十回か繰り返しているうちに分かってきました。
人に道を訊く時は、頭の隅に留めておかねばならないことがいくつかあるのです。
 

たとえば注意点その1

おばちゃん(またはおばあちゃん)の言う「○分くらいで行ける」には要注意。

 

おばちゃんが「10分くらいで行ける」と教えてくれた場合、

20分か30分くらいはかかるものと心得ておくべきです。

文頭に「若い人なら」と付けた場合は尚更です。

どういうわけか、おばちゃんの中には、

若い人を飛脚のごとく考えている人が多く、

「若い人の足ならこのくらいで……」と、
実際の所要時間の半分とか
3分の1で着けるかのように言います。
結果、「あれえおかしいな。おばちゃんは
10分くらいって言ってたのに」

ということになり、道を間違えたのかと思って他の人に訊いてみると、

10分なんてもんじゃないよ40分はかかるよ。え、歩いて行くのかい?」

と、驚かれることになります。
……わざわざ所要時間を教えてくれ、

それだけでなく相手の足に合わせて計算してくれてもいるわけですから、

親切なおばちゃんであることは間違いないのですが……。

 

注意点その2

「○色の看板があって」には注意。

 

人は、自分が見ているものを他人も同じように見ていると思いがちです。

道案内をする人は、自分がいつも目印にしている看板を思い出して

「まっすぐ行った角に赤い看板があるから、そこを右に……」

と教えてくれるわけですが、

実際に行ってみるとなぜかその看板がぜんぜん出てこない。

おかしいなと思って来た道を戻ってようやく、

「えっ、おっちゃんの言ってた『赤い看板』ってもしかしてこれ? ちっちゃ!」

「ていうかこれ赤じゃないし!」

「ていうか『サカイ商店』じゃなくて『マルイ酒店』だし!」

……と、なります。
もっとすごい人になると路上の立て看板を目印にしたりします。

立て看板は動くんです。そして閉店時には仕舞われてしまうんです。

 

また、職業柄なのか、目のつけどころが違う人にも要注意です。
以前、登記関係の仕事をしている父に道を訊いたら、

「○○の法務局の角で右に曲がって○○方面に行って、

その道をずっと行くと□□の法務局があるから……」
法務局基準ですか。

でもお父さん、とりあえずまず、法務局がどんな建物なのか訊いていいですか。
そういえば以前、「庭に百日紅
(さるすべり)が咲いている家の角を曲がって……」と

教えてくれる人もいました。

百日紅ってあれですよね、公園とかによく植わっている、幹がツートンカラーなやつ。

でも、花がどんなのだったか思い出せない……。

 

という経験をいろいろしていると、

自分が道案内をする時に、どこに注意すればいいのかも分かってきます。

距離や時間で表さず、曲がる角だけ示す。

500メートルぐらい行ってから」はダメです。

主観的な表現は使わず、客観的に明らかな示し方をする。

「なんか、『昭和』って感じの駄菓子屋があって」はダメです。

自分ではなく、初めて訪れた人に分かりやすいものを目印にする。

「いつも水をまいてるおばちゃんがいる家の前を」はダメです。

私に道を訊いた皆様、ごめんなさい。

 

ちなみに、道案内のプロである交番のお巡りさんはというと、

必ず「3つ目の信号を左に……」と、

信号機を目印に説明してくれるので間違えようがありません。
まずもってこれが理想の道案内といえるわけですが、これは地図がないと無理です。

……地元の信号機の数なんて、覚えてないわけで。

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