誰かが困る日本語

2011年06月11日 17:37

店員さんたちの使ういわゆる「バイト敬語」は、

日本語的につっこみどころ満載なんだそうです。

「お会計、千円からお預かりします」というのは厳密には間違いで、

これだと「千円さん(誰?)から何かを預かる」ことになってしまうそうです。

「こちらパスタになります」というのも厳密には間違いで、

これだと「じゃ、なる前は何だったの?」ということになってしまうそうです。

(『日本人の知らない日本語』蛇蔵・海野凪子/メディアファクトリー より)

なるほど確かに、となりますが、まあこれでも意味は通じるので、

実際のところ、誰かが困るわけではありません。

 

ですが、世の中には「実際に誰かが困るバイト敬語」というのもあります。

会員制のカードを発行しているお店の場合、レジでの支払い時に必ず訊かれます。

「○○カードはお持ちでなかったですか?」

 

持っていません。

作る気もありません。

ないのですが、これ、どっちに答えればいいのでしょうか。

「お持ちでなかったですか?」という形で訊かれたのだから、

「はい」と答えれば「持っていない」の意味になるのでしょうか。

それとも「持っていますか?」の意味なのだから、

「いいえ」と答えればいいのでしょうか。

おそらく他の人は「いいえ」で済ませているものだと思われますが、

私は慣れるまでの間、毎回悩んでいました。

「どっち?」と考え始めるときりがないので、

困った挙句「持っていません」と答えていました。

「お持ちですか?」なら悩まずに済むのですが。

 

もっと難しいものになると、店員さん自身が言えなかったりします。

コンビニの「こちら、お温めになりますか?」。

私が温めるわけではないので、正確には「お温めしますか?」なのでしょうが、

そんなことはどうでもよくて、

問題はこの「おあたためになりますか」という言葉の言いにくさです。

「こちらおあたためになりますか?」「こちらおあたためになりますか?」。

早口で10回続けて言ってみましょう。私、言えねーです。

「おあたため」がいけないんです。

事実、言えない店員さんにも何度か遭遇しました。

「こちら、おあた」

「おあたたた」

「……失礼しました。こちら、おあたたた」

客の秘孔を突くのはどうかと思います。

確かに、ルックス的にも棍とかヌンチャクとか似合いそうな店員さんでしたが、

まさかわざとやっているわけはなく。

いや、わざとだったんでしょうか。

棍とかヌンチャクとか似合いそうでしたし。

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