インタビューのお知らせ 僕化けの話

2013年12月11日 14:43

発売中の「ダ・ヴィンチ」2014年1月号にインタビューが載っています。
書影はまだ秘密なので、今回は文だけのお知らせです。
写真はおっさんの方の似鳥鶏が単独で写っています。美少女の方の似鳥鶏は写ってません。
なんか微妙に寝ぼけたような顔で写っていますが、これでもよく撮ってもらったのです。
普段からこんな感じなので。

実はこのインタビューをした前後、他2誌でもインタビューの話をいただき、
そちらもすでにお原稿を確認しています。
そこで気付いたこと。

……なんかみんな一人称が「僕」になっている。

私の一人称は敬語の時は「私」、くだけた時は「俺」で、
インタビュー時はほぼ全部「私」で話しているのですが、
原稿になると六割がた「僕」と表記されます。
なぜ。


しかし、インタビューの会話を文章に起こすライターさんの事情を考えると分かる気がします。
インタビューとしては、あまり固い会話はよろしくなく、
リラックスして話しているイメージを伝えたい。
となれば男性の「私」は少々構えすぎな印象になります。
私の場合、ペンネームが性別不詳で、
おっさんの方もいることが忘れられがちなので、なおさらです。
一方で、「俺」というのは少々くだけすぎであり、場合によっては粗野な印象を与えてしまいます。
そこで悩んだ結果、「僕」になっていくのでしょう。

これは小説の文章を書く上でもけっこう問題になります。
現実の会話では、男性の一人称は「俺」が多数派でしょう。
(年長の世代になると「僕」を使う人も増えてきます。)
ですが、いざ小説で主人公の一人称を「俺」にしてしまうと、
急に小説世界がハードボイルド化してしまい、
主人公はマティーニ以外飲んじゃいけない感じになります。
かといって「私」になると、これは少々固すぎるのです。
主人公が鼻から牛乳を出したり、女子のふとももに釘付けになったり、
トイレで紙がなくなったためトイレットペーパーの「芯」を使ってなんとかしようとする
シーンで一人称が「私」というのは、ちょっとギャップがあって困るのです。
(逆に面白くなることもありますが。)
結果、妥協点として「僕」が選ばれることになり、
男性視点の一人称は「僕」になっていくわけなのですが(※専門用語で「僕化け」と呼びます)、
実のところ、「僕」というのは平均的な男子と比較してややおとなしめの位置にある人が
使うイメージなので、本当に普通の男性を主人公にしたい場合、
「小生」または「拙」「某」のどちらかを使うしかないのです。
小説を書くと、こういうちまちましたところで悩みます。

そういえば、現代の十代女子はくだけた会話の時、圧倒的に「うち」が多いんですよね。
でも、これをそのまま書くと、聞き慣れていない人にとっては
「どうして関東人なのに関西弁なのか」となってしまいます。
さて、どうしたものか。
今後、女性の一人称がみんな「うち」になっていくと、
一人称の「私」「あたし」は、老人が「わし」と言うのと同様、
虚構の中にしかない言い回し(※虚構弁)になっていくのかもしれません。


もうみんな「拙者」に統一しましょうよ。その方が観光客とかにもウケるでしょうし。



※どっちもさっき考えました。
スポンサーサイト

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://nitadorikei.blog90.fc2.com/tb.php/93-8fe1c234
この記事へのトラックバック


最新記事